○白老町情報公開条例

平成11年12月17日

条例第33号

目次

前文

第1章 総則(第1条―第5条)

第2章 公文書の公開

第1節 公文書の公開を請求する権利等(第6条―第10条)

第2節 公開請求の手続等(第11条―第15条)

第3節 審査請求(第16条・第16条の2)

第3章 総合的情報公開制度の推進

第1節 情報共有制度の推進(第17条・第18条)

第2節 会議の公開(第19条)

第3節 出資法人等の情報公開(第20条・第20条の2)

第4章 補則(第21条―第24条)

附則

私たち白老町民は自由な意思と適正な判断、責任ある行動でまちづくりを推進する責務を有しています。住民自治を活性化させ、豊かな地域社会をつくるためには、町政に関するさまざまな情報が公開、提供され、町の諸活動がわかりやすく説明される必要があります。

町が保有する情報は、私たち町民の共有財産です。町民によって広くかつ適正に活用され、町民生活の向上に役立てられるべきです。個人のプライバシーに関する情報は最大限に保護しつつも、公開を原則としなければなりません。

日本国憲法が保障する基本的人権としての「知る権利」に基づき、町が保有する情報は、誰もがいつでも必要なときに知ることができる、自由で豊かな情報の流れをつくるよう求められています。

私たちは、「協働のまちづくり」に積極的に参画し、公正で民主的な町政の確立や豊かな地域社会を実現するため、総合的な情報公開制度の確立を目的とし、この条例を制定します。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、公文書の公開を請求する権利を明らかにするとともに、情報公開の総合的な推進に関し必要な事項を定めることにより、町民の町政に対する理解と信頼を深め、開かれた町政を一層推進し、もって地方自治の本旨に即した民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 公文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、マイクロフィルム及び磁気テープその他規則で定めるものであって、当該実施機関が管理しているものをいう。

(2) 実施機関 町長、教育委員会、消防長、選挙管理委員会、監査委員、農業委員会、固定資産評価審査委員会及び議会をいう。

(実施機関の責務)

第3条 実施機関は、この条例の解釈及び運用に当たっては、公文書の公開を請求する権利を十分尊重するとともに、個人に関する情報がみだりに公にされることのないよう最大限の配慮をしなければならない。

2 実施機関は、この条例の趣旨にのっとり、公文書の公開その他の事務を迅速に処理する等、情報公開制度の利用者の利便に配慮をしなければならない。

(公文書の管理等)

第4条 実施機関は、この条例の適正な運用を図るため、公文書の作成、分類、保存及び廃棄等について適切に管理するとともに、公文書の検索に必要な資料を作成するものとする。

(情報の適正使用)

第5条 この条例の定めるところにより公文書の公開又は情報の提供を受けた者は、これによって得た情報をこの条例の目的に即し適正に使用しなければならない。

第2章 公文書の公開

第1節 公文書の公開を請求する権利等

(公文書の公開を請求する権利)

第6条 何人も、この条例に基づき、実施機関に対して公文書の公開を請求することができる。

(非公開とすることができる公文書)

第7条 実施機関は、公文書の公開の請求(以下「公開請求」という。)に係る公文書に次のいずれかに該当する情報(以下「非公開情報」という。)が記録されているときは、当該公文書を公開しないことができる。

(1) 個人情報 個人の思想、宗教、信条、財産、所得、身体的特徴、健康状態、経歴、住所、家族構成、所属団体等に関する情報(事業を含む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、特定の個人が識別され得るもののうち、通常他人に知られたくないと認められるもの

(2) 事業活動情報 法人その他の団体(国及び地方公共団体を除く。以下「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の事業に関する情報であって、公開することにより、その法人等又はその事業を営む個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害することが明らかであると認められるもの

(3) 意思形成過程情報 町の内部又は町と国若しくは他の地方公共団体その他の公共団体(以下「国等」という。)との間における審議、協議、調査研究等の意思形成過程に関する情報であって、公開することにより、公正かつ適正な意思決定に著しい支障が生ずると明らかに認められるもの

(4) 国等協力関係情報 町と国等の間における協議、依頼等により作成し、又は取得した情報であって、公開することにより、国等との協力関係又は信頼関係が著しく損なわれ、当該協議又は依頼に係る事務事業の適正な執行に支障が生ずると認められるもの

(5) 行政運営情報 試験の問題及び採点基準、検査、取締り、争訟の処理方針、入札の予定価格、交渉の方針、不動産売買の計画、職員の身分取扱いその他町又は国等が行う事務事業に関する情報であって、公開することにより、当該事務事業の目的を失わせ、又は当該事務事業若しくは将来の同種の事務事業の公正若しくは円滑な運営に著しい支障が生ずると認められるもの

(6) 公共安全維持情報 公開することにより、人の生命、身体、財産又は社会的な地位の保護、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障が生ずるおそれがあると認められる情報

(7) 法令秘情報 法令又は他の条例(以下「法令等」という。)の規定により明らかに公開することができないとされている情報

2 実施機関は、公開請求に係る公文書に非公開情報が記録されている場合であっても、当該情報を公開することが人の生命、身体、健康、財産、生活の保護その他の公益のため必要があると認めるときは、前項の規定にかかわらず、当該公文書を公開するものとする。

(部分公開及び一定の期間の経過による公開)

第8条 実施機関は、公開請求に係る公文書に非公開情報とそれ以外の情報が記録されている場合において、非公開情報とそれ以外の情報とを容易に、かつ、当該公開請求の趣旨が損なわれない程度に分離することができるときは、前条の規定にかかわらず、当該非公開情報が記録されている部分を除いて、これを公開しなければならない。

2 実施機関は、非公開情報が記録されている公文書であっても、期間の経過により、当該公文書の全部又は一部について、非公開とする理由がなくなったときは、これを公開しなければならない。

(公文書の存否に関する情報の取扱い)

第9条 実施機関は、公開請求に係る公文書が存在しているか又は存在していないかを答えるだけで、第7条第1項各号に規定する非公開情報として保護される利益が、当該公文書を公開した場合と同様に侵害されると認められる場合に限り、当該公文書の存否を明らかにしないで、公開請求を拒否することができる。

(非公開の立証責任)

第10条 公開請求に係る公文書に記録されている情報が、第7条第1項の規定により非公開情報に該当することの立証責任は、実施機関が負う。

第2節 公開請求の手続等

(公開請求の手続)

第11条 公開請求をしようとする者は、実施機関に対して、次の各号に掲げる事項を記載した請求書を提出しなければならない。ただし、身体の障害等により当該請求書に記入できないと実施機関が認めた場合は、この限りでない。

(1) 請求者の氏名及び住所(法人その他の団体にあっては、名称、事務所又は事業所の所在地及び代表者の氏名)

(2) 公開の請求に係る公文書の内容

(3) その他実施機関が定める事項

(公開請求に対する決定等)

第12条 実施機関は、前条の規定による請求があったときは、当該請求を受理した日の翌日から起算して14日以内に、当該請求に対する公開、非公開又は請求拒否の決定をし、速やかに決定の内容を請求者に文書により通知しなければならない。この場合において、公開の決定をしたときは公開の日時及び場所を、非公開又は請求拒否の決定をしたときはその理由を併せて記載しなければならない。

2 実施機関は、非公開とする旨の決定をした場合において、当該公文書の全部又は一部について公開することができる時期が明らかであるときは、併せてその旨を前項の文書に付記しなければならない。

3 実施機関は、やむを得ない理由により第1項の期間内に同項の決定をすることができないときは、同項の期間をその満了する日の翌日から起算して30日を限度として延長することができる。この場合において、実施機関は、延長する期間及びその理由を速やかに請求者に文書により通知しなければならない。

4 実施機関は、第1項の決定をする場合において当該決定に係る公文書に第三者に関する情報が記録されているときは、あらかじめ当該第三者の意見を聴くことができる。

(公文書不存在の通知)

第13条 実施機関は、公開請求に係る公文書を保有していないときは、公開請求があった日の翌日から起算して14日以内に不存在である旨の通知をするものとする。

(公文書の公開の実施)

第14条 公文書の公開は、実施機関が第12条第1項の規定による通知の際に指定した日時及び場所において行うものとする。

2 公文書の公開は、文書、図画、写真又はマイクロフィルムについては閲覧又は写しの交付により、磁気テープその他規則で定めるものについては実施機関が定める方法により行うものとする。

3 実施機関は、前項の規定により公文書の公開をする場合において、当該公文書が汚損し、又は破損するおそれがあると認めるとき、その他相当の理由があるときは、当該公文書による公開に代えて、当該公文書を複写したものにより公開することができるものとする。

(費用の負担)

第15条 この条例の規定による公文書の閲覧及び視聴に関する手数料は、無料とする。

2 この条例の規定による公文書の写しの交付を受ける者は、規則で定めるところにより、当該写しの作成及び送付に要する費用を負担しなければならない。

3 実施機関は、経済的困難その他特別の理由があると認める時は、規則で定めるところにより、前項の費用の全部又は一部を免除することができる。

第3節 審査請求

(審査会への諮問)

第16条 実施機関は、公開決定等又は公開請求に係る不作為について審査請求があった場合は、白老町附属機関の設置に関する条例(平成25年条例第3号)により設置された白老町情報公開・個人情報保護審査会(以下「審査会」という。)に諮問し、その答申を尊重して当該審査請求に対する裁決をしなければならない。ただし、次の各号に掲げる場合を除く。

(1) 当該審査請求が不適法であり、これを却下する場合

(2) 裁決で、審査請求の全部を認容し、当該審査請求に係る公文書の全部を公開することとする場合(当該公文書の公開について反対意見書が提出されている場合を除く。)

2 実施機関は、前項の審査請求があったときは、その翌日から起算して90日以内に当該審査請求に対する裁決を行うよう努めなければならない。

3 第1項の規定による諮問は、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第3項において読み替えて適用する同法第29条第2項の弁明書の写しを添えてしなければならない。

4 第1項の規定により諮問した実施機関は、次に掲げるものに対し、諮問した旨を通知しなければならない。

(1) 審査請求人及び参加人(行政不服審査法第13条第4項に規定する参加人をいう。以下同じ。)

(2) 公開請求者(公開請求者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(3) 当該審査請求に係る行政文書の公開について反対意見書を提出した第三者(当該第三者が審査請求人又は参加人である場合を除く。)

(審理員による審理手続の適用除外)

第16条の2 公開決定等又は公開請求に係る不作為に係る審査請求については、行政不服審査法第9条第1項の規定は、適用しない。

第3章 総合的情報公開制度の推進

第1節 情報共有制度の推進

(情報の共有)

第17条 実施機関は、総合的な情報公開制度を推進するため、広報広聴活動の充実、刊行物その他行政情報の積極的な提供を行い、その提供した情報が住民参加や町民の自主的活動において活用されるよう情報共有施策の整備拡充を図り、町民と「協働のまちづくり」を推進するよう努めるものとする。

第18条 実施機関は、町民から公開請求された情報又は情報提供を求められた情報が記録されている公文書を保有していない場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、当該情報を取得又は作成し、提供することができる。ただし、公開請求された情報又は情報提供を求められた情報の内容が第7条第1項各号のいずれかの非公開情報に該当するとき、当該情報を取得若しくは作成することが困難なとき、又は当該情報を作成することにより事務事業の遂行に支障が生ずると実施機関が認めるときは、この限りでない。

第2節 会議の公開

(会議の公開)

第19条 実施機関に置く附属機関及びこれに類するものは、その会議を公開するものとする。ただし、当該会議の内容が第7条第1項各号のいずれかに該当し、会議を公開することが適当でないと認められるときは、この限りでない。

第3節 出資法人等の情報公開

(出資法人等の情報公開)

第20条 町が出資し、又は財政上の援助を行う法人その他の団体は、財務その他経営状況を説明する文書等その保有する文書の公開に努めるものとする。

2 前項の法人その他の団体とは、町が資本金その他これらに準ずるものの2分の1以上を出資している法人その他の団体並びに町が年額100万円以上の補助金、助成金、負担金等を交付している法人その他の団体(以下、これらを「出資法人等」という。)とする。

3 実施機関は、出資法人等が保有する文書であって、実施機関が管理していないものについて、その文書の公開請求があったときは、出資法人等に対してその文書を実施機関に提出するよう求めるものとする。

4 前項の規定により実施機関が出資法人等に提出を求める文書の範囲、公開の手続、費用の負担その他必要な事項は、実施機関が定める。

5 出資法人等は、第3項の規定により文書の提出を求められたときは、速やかに、これに応じるよう努めるものとする。

(指定管理者の情報公開)

第20条の2 指定管理者(地方自治法(昭和22年法律第67号)第244条の2第3項に規定する指定管理者(出資法人を除く。)をいう。以下同じ。)は、その管理する公の施設の管理に関する業務に係る文書の公開に関し、必要な措置を講じるよう努めなければならない。

2 実施機関は、指定管理者に対し、前項に定める必要な措置を講じるよう指導に努めるものとする。

第4章 補則

(制度の改善)

第21条 実施機関は、町民、学識経験のある者等の意見を聴いて、情報公開制度の公正かつ円滑な運用及び改善に努めるものとする。

(運用状況の公表)

第22条 実施機関は、毎年、この条例の運用状況について、実施機関の定めるところにより、これを公表するものとする。

(他の法令等との調整)

第23条 この条例は、他の法令等により公文書の閲覧若しくは縦覧又は謄本、抄本等の交付の手続が定められている場合については、適用しない。

2 この条例は、前項に規定するもののほか、町の規程により、図書館、資料館その他これらに類する町の施設において町民の利用に供することを目的として、その手続が定められている公文書については、適用しない。

(委任)

第24条 この条例の施行に関し必要な事項は、実施機関が定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成12年1月1日から施行する。

(適用区分)

2 この条例は、次に掲げる公文書について適用する。

(1) 平成12年1月1日以後に作成し、又は取得した公文書

(2) 平成12年1月1日前に作成し、又は取得した公文書で公開のための整理が終わったものとして実施機関が指定したもの

(平成17年12月20日条例第47号)

(施行期日)

1 この条例は、公布の日から施行する。ただし、次項及び第3項の規定は、平成18年4月1日から施行する。

(平成25年3月15日条例第3号)

(施行期日)

第1条 この条例は、平成25年4月1日から施行する。

(平成28年3月15日条例第7号)

この条例は、平成28年4月1日から施行する。

白老町情報公開条例

平成11年12月17日 条例第33号

(平成28年4月1日施行)

体系情報
第3編 執行機関/第1章 長/第7節 情報公開・個人情報保護
沿革情報
平成11年12月17日 条例第33号
平成17年12月20日 条例第47号
平成25年3月15日 条例第3号
平成28年3月15日 条例第7号