○白老町消防救急業務規程

平成26年1月19日

白消訓令第1号

白老町消防救急業務規程(平成6年白消訓令第1号)の全部を改正する。

(趣旨)

第1条 この規程は、消防法(昭和23年法律第186号)、救急救命士法(平成3年法律第36号)に基づく救急業務及びこれに関連する業務の実施に関し必要な事項を定めるものとする。

(用語の定義)

第2条 この訓令において、次の各号に掲げる用語の定義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 救急業務 消防法第2条第9項に定める救急業務をいう。

(2) 救急事故 救急活動の対象となる事故等で、別表第1に掲げるものをいう。

(3) 救急自動車 救急業務を行うために必要な構造、設備及び資器材を備えた自動車をいう。

(4) 救急病院 救急病院等を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)第1条第1項に定める病院又は診療所をいう。

(5) 医療機関 前号に掲げるもののほか、医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に定める病院又は診療所をいう。

(6) 特定行為 救急救命士法第44条第1項に規定する医師の具体的な指示が必要な救急救命処置をいう。

(救急責任)

第3条 消防長は、救急事故の実態を把握し、これに対応する救急体制の確立を図り、救急業務を適正に遂行するために必要な対策を講ずるものとする。

2 消防署長(以下「署長」という。)は、所属職員を指揮監督し、所轄の救急隊が出動した救急事故の実態を把握し、救急活動の執行体制の確立を図るとともに、救急業務の万全を期するものとする。

(救急隊の編成)

第4条 救急隊は、救急隊員(以下「隊員」という。)3人及び救急自動車1台をもって編成する。ただし、消防長又は署長が必要と認めたときは、救急自動車以外の車両をもって編成できるものとする。

2 前項の隊員は、救急隊長(以下「隊長」という。)、救急員及び救急自動車を運行する機関員をもって編成する。

3 消防長又は署長が必要と認める場合は、特別に救急隊を編成することができる。

(隊員の任命)

第5条 消防長は、次に掲げる者のうちから隊員を任命する。

(1) 救急救命士(救急救命士法(平成3年法律第36号)第2条第2項に規定する救急救命士をいう。)の資格を有する者

(2) 救急隊員の応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)第5条第2項に定める者

(3) 消防法施行令(昭和36年政令第37号)第44条第3項に定める者

2 消防長は、隊員のうち1人を隊長とし、消防士長以上の階級にあるものの内から任命する。

(隊員の心得)

第6条 隊員は、救急業務に関する法令で定めるもののほか、次に掲げる事項を遵守しなければならない。

(1) 救急業務の重要性を自覚し、救急に関する知識の習得並びに技術の練磨及び向上に努めること。

(2) 常に身体及び服装の清潔保持に努めること。

(3) 傷病者に対しては、懇切丁寧に対応し、羞恥又は不快な念を抱かせないように努めること。

(4) 救急業務上で知り得た傷病者に関する情報を他に漏らさないこと。

(5) 観察及び応急処置の資器材(以下「救急用資器材」という。)の保全に努め、その使用に適正を期すること。

(6) 救急自動車の運転については、傷病者の症状に応じて適切に行い、傷病者に不安を与えないこと。

(隊員の服装)

第7条 隊員は、救急業務に従事する場合、救急服及び救急帽を着用するものとする。ただし、隊長が必要と認める救急活動にあっては、救急帽に代えて保安帽を着用するものとする。

(救急の出動)

第8条 消防長又は署長は、救急事故が発生した旨の通報を受けたとき、又は救急事故が発生したことを知ったときは、当該救急事故の発生場所、傷病者の数及び傷病の程度等を確かめ、直ちに救急隊を出動させなければならない。

2 救急隊の出動種別、出動区分等については、別に定める。

(口頭指導)

第9条 通信員及び現場出場途上の救急隊は、電話による救急要請時に救急現場付近にある者に、応急手当の協力を要請し、その方法を口頭指導するように努めなければならない。

(救急活動の原則)

第10条 救急活動は、傷病者の観察及び必要な応急処置を行った後、傷病者の症状に適した医療機関に速やかに搬送することを原則とする。

(隊長の任務)

第11条 隊長は、現場の状況を的確に把握するとともに、救急員及び機関員を指揮して、前条の規定に基づき適正な活動を行わなければならない。

(救急員及び機関員の任務)

第12条 救急員及び機関員は隊長を補佐し、効果的な救急活動を行わなければならない。

(観察及び判断)

第13条 観察は、傷病者の周囲の状況、救急事故の形態及び傷病者の状態を把握し、応急処置の判断に資するために行うものとする。

(応急処置の実施)

第14条 応急処置は、救急隊員の行う応急処置等の基準(昭和53年消防庁告示第2号)に基づき的確に行うものとする。

2 救急救命士の資格を有する隊員は、前項で定めるもののほか、救急救命士法に定めるところにより、救命処置を行うものとする。

(医師の協力要請)

第15条 隊長は、次に掲げる場合は、救急事故現場に医師の派遣を要請し、当該医師の指示により必要な処置を講ずるよう努めるものとする。

(1) 傷病者の状態からみて搬送することが生命に危険があると認められる場合

(2) 傷病者の救命にあたり、緊急に医療行為を必要とする場合

(警察官の出動要請)

第16条 隊長は、次に掲げる場合は、警察官の出動を要請しなければならない。

(1) 傷病者の発生原因が、別表第1で定める交通事故、火災事故、水難事故、労働災害事故、自損行為又は加害の事故に該当すると認められる場合

(2) 傷病者が、精神障害若しくは泥酔等のため自らを傷つけ、又は救急隊員若しくは他人に危害を及ぼすおそれがあると認められる場合

(3) 救急現場で、傷病者が明らかに死亡していると認められる場合

(4) その他隊長が現場の状況から必要と判断した場合

2 前項各号により警察官の出動要請を行う場合は、現場保存に留意して救急活動を行わなければならない。

(応援隊の要請)

第17条 隊長は、自隊のみでは救急業務を行うことが困難であると認められる場合は、応援要請することができる。

(傷病者の搬送)

第18条 隊長は、傷病者の症状から可能と認められる場合に限り、当該傷病者を搬送し、傷病者が複数の場合は、症状が重い又は緊急度が高いと認められる者を優先する。

(医療機関の選定等)

第19条 隊長は、傷病者の搬送先については、傷病者の症状に適応した医療が速やかに施し得る最も救急現場に近い医療機関を選定するものとする。

2 隊長は、傷病者又はその家族等から特定の医療機関への搬送を依頼された場合は、傷病者の症状及び救急業務上の支障の有無を判断し、可能な範囲において依頼された医療機関に搬送するものとする。

3 前2項について、隊長は、指令室と相互に緊密な連絡をとりながら、選定した医療機関からの受入の応諾を得た後に搬送するものとする。

(搬送を拒んだ者の取扱い)

第20条 隊長は、救急業務の実施に際し、傷病者又はその家族等が搬送を拒んだ場合は、搬送しないことができる。

2 前項の規定により傷病者を搬送しない場合は、不搬送処理書(様式第1号)にて傷病者又はその家族等から拒否理由及び署名を求めるものとする。

(搬送の制限)

第21条 傷病者が、次の各号のいずれかに該当する場合は、当該傷病者を搬送しないものとする。

(1) 明らかに死亡していると認められる場合

(2) 医師が死亡していると判断した場合

(3) 傷病者が感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成10年法律第114号)第6条に規定する一類感染症、二類感染症、指定感染症及び新感染症と疑われる患者又は病原体保有者(以下「感染症患者」という。)である場合

(感染症患者と疑われる者を搬送した場合の措置)

第22条 隊長は、感染症患者と疑われる傷病者を搬送した場合は、隊員、救急自動車及び救急用資器材の汚染に留意し、直ちに所定の消毒を行い、この旨を署長に報告するとともに、当該傷病者に対する医師の診断結果を確認し所要の措置を講じなければならない。

2 署長は前項の医師による診断結果により、感染症患者であると判明した場合は速やかに消防長に報告するとともに管轄保健所に通報し、必要な指示を受けなければならない。

(関係者の同乗)

第23条 隊長は、傷病者の関係者又は警察官等から同乗を求められたときは、これに応じなければならない。

(医療機関への引き継ぎ等)

第24条 隊長は、医療機関へ傷病者を引き継ぐ場合は、傷病者引継書(様式第2号)により医師へ報告するとともに、当該傷病者の傷病名及び傷病の程度について聴取するよう努めるものとする。

(転院搬送)

第25条 転院搬送(現に医療機関等にある傷病者を他の医療機関等に搬送することをいう。以下同じ。)は、当該傷病者のある医療機関からの要請で、搬送先医療機関が確保されている場合に行うものとする。

2 転院搬送は、当該傷病者のある医療機関の医師又は看護師を同乗させなければならない。ただし、当該傷病者に必要な処置を施し、かつ、症状が安定していると認められる場合で、医師が同乗を要しないと判断した場合はこの限りではない。

(感染防止対策の基本)

第26条 消防長又は署長は、救急業務の実施に際し、隊員が傷病者のウィルス性感染症並びにこれと疑われる傷病者の血液又は体液若しくは吐物等(以下「血液等」という。)による感染防止に関し、必要な対策を講じなければならない。

(感染防止措置)

第27条 隊員は、傷病者の応急処置の実施に際し、傷病者の血液等に触れるおそれがある場合は、感染防止用資器材を着装し、血液等に触れない措置を講じなければならない。

2 署長は、隊員が血液等により汚染したと判明したときは、直ちに消防長に報告するとともに、医師の検診を受け、適切な感染防止措置を講じなければならない。

(感染性廃棄物の処理)

第28条 隊長は、救急業務等により生じた感染性廃棄物は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和45年法律第137号)に基づいて処理しなければならない。

(救急資器材の管理)

第29条 署長は、救急用資器材の管理に努めるとともに、定期的に検査を行い安全性及び機能の維持に努めなければならない。

(救急自動車等の消毒)

第30条 署長は、次の各号に定めるところにより、救急自動車及び救急資器材の消毒を行うものとする。

(1) 定期消毒 毎月1回

(2) 使用後消毒 毎使用後(隊長が活動の状況から、消毒を行う必要がないと認めた場合は除く)

2 前項第1号により消毒を行ったときは、救急自動車消毒実施経過表(様式第3号)に記録し、救急自動車内に掲示するものとする。

(劇薬等の保管及び管理)

第31条 消防長は、処方せん医薬品及び劇薬(以下「劇薬等」という。)の保管場所ごとに保管管理責任者を定めるものとする。

2 保管管理責任者は、次に掲げる事項に留意し、劇薬等の適切な管理を行うものとする。

(1) 保管場所は常時施錠し、盗難・紛失には十分注意を払うこと。

(2) 管理台帳を作成し、使用数・在庫数を把握すること。

(3) 廃棄、その他の扱いについて、関係法令を遵守すること。

(救急活動の報告等)

第32条 隊長は、救急活動を行った場合は、救急活動報告書(様式第4号)を作成及び記録し、署長に報告しなければならない。

2 隊長は、次の各号に掲げる北海道メディカルコントロール協議会が指定した救急活動を行った場合は、活動検証票(様式第5号)を作成し、内部指導者及び認定された検証医師から救急活動に対する指導を受けなければならない。

(1) すべての心肺停止症例

(2) 初診医において検証が必要と判断した症例

(3) 道央圏MC協議会が必要と認める症例

(4) 消防長が必要と認める症例

3 救急救命士は、特定行為を実施した場合は、救急救命処置録(様式第6号)を作成し、記録しなければならない。

(特異な救急事故等の報告)

第33条 隊長は、特異な救急事故を取り扱った場合、救急業務の実施に支障が生ずる事案が発生した場合、又は救急業務に関する苦情の事案が発生した場合は、速やかに署長に報告し、指示を受けそれぞれの事案に対応しなければならない。

(証人出頭等の報告)

第34条 署長は、救急業務に関し、司法機関又は捜査機関等から法令に基づく職員の出頭若しくは供述又は資料の提出を求められたときは、速やかに消防長に報告し、対応するものとする。

(家族等への連絡)

第35条 隊長は、傷病者の状況により必要があると認めたときは、当該傷病者の家族等に事故の状況及び搬送先医療機関等を連絡するよう努めるものとする。

(医療機関等との連携)

第36条 消防長及び署長は、救急業務の実施について、管轄区域内の医療機関及び関係行政機関と連携に努めなければならない。

(救急調査)

第37条 署長は、救急業務を円滑に実施するため、救急病院並びに救急医療対策事業実施要綱(昭和52年医発第692号)に定める当番病院及び当番診療所について、次の各号に掲げる事項を必要に応じ調査するものとする。

(1) 地理及び交通の状況

(2) 管轄区域内の医療機関の名称、位置、診療科目その他必要な事項

(3) その他消防長が必要と認める事項

(救急告示申出病院等の調査)

第38条 消防長は、北海道知事から救急病院を定める省令(昭和39年厚生省令第8号)第1条に基づく申出についての意見を求められた場合は、当該申出にかかる病院又は診療所の傷病者受け入れ体制、病床確保状況、位置、構造及び設備を調査し報告しなければならない。

(報告要領)

第39条 救急事故に伴う報告要領については、救急事故等報告要領(昭和39年自消甲教発第18号)及び火災・災害等即報要領(昭和59年消防災第267号)の規定によるほか、別に定める。

(救急搬送証明)

第40条 救急搬送された傷病者又はその関係者は、搬送された事実の証明を希望する場合、救急搬送証明交付申請書(様式第7号)により申請しなければならない。

2 消防長は、前項の申請があった場合、当該救急活動報告書に基づき、救急搬送証明書(様式第8号)を交付するものとする。

(技能管理)

第41条 消防長は、隊員の知識及び技術の向上を図るための環境整備に努めなければならない。

2 署長は、隊員の知識及び技術の向上を図るため、必要な指導を行い技能管理に努めなければならない。

3 消防長は、救急救命士免許証の交付を受けた者が、救急救命士として就業する場合は、就業前に医療機関の協力を得て症例研究及び資器材の習熟訓練を実施し、就業した後には病院実習の補充教育を実施するものとする。

(訓練の実施)

第42条 署長は、隊員の知識及び技術の向上を図るため、訓練計画を定めるものとし、その計画に基づき救急活動に必要な訓練を実施するものとする。

(訓練の区分)

第43条 訓練は、基本訓練、総合訓練及び普及技能訓練とし、次のとおりとする。

(1) 基本訓練 隊員としての救急活動に必要な基本的な知識及び技術を習得するため行う訓練

(2) 総合訓練 隊員としての救急活動全般に対応できる活動能力の向上を図るため行う訓練

(3) 普及技能訓練 普及業務に必要な指導能力を養うため行う訓練

(訓練の効果確認)

第44条 署長は、訓練の成果を評価し、救急隊員の技能の向上に資するものとする。

(普及啓発)

第45条 消防長及び署長は、町民に対して、傷病者を応急に救護するために必要な知識及び技術の普及啓発活動を効果的に推進するよう努めなければならない。

(講習の実施)

第46条 普及啓発を推進するため、次に掲げる講習を実施するものとする。

(1) 普通救命講習(Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ)

(2) 上級救命講習

(3) 応急手当講習(入門コース、その他の講習)

2 消防長は、前項各号の講習(応急手当講習(その他の講習)を除く)を修了した者に修了証を交付するものとする。

(救急広報)

第47条 署長は、救急自動車の適正利用及び救急活動について、広報活動を通じ町民の協力が得られるよう努めなければならない。

(その他)

第48条 この規程に定めるもののほか、救急業務の実施について必要な事項は消防長が別に定める。

この訓令は、平成26年4月1日から施行する。

別表第1(第2条関係)

救急事故等の種別

区分

事故種別

概要

不慮の事故

火災

火災現場において直接火災に起因して生じた事故をいう。

自然災害事故

暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火、雪崩、地すべり、その他の異常な自然現象に起因する災害による事故をいう。

水難事故

水泳中(「運動競技」によるものを除く。)の溺者又は水中転落等による事故をいう。

交通事故

すべての交通機関相互の衝突及び接触又は単一事故若しくは歩行者等が交通機関に接触したこと等による事故をいう。

労働災害事故

各種工場、事業所、作業所、工事現場等において就業中発生した事故をいう。

運動競技事故

運動競技の実施中に発生した事故で直接運動競技を実施している者、審判員及び関係者等の事故(ただし、観覧中の者が直接に運動競技用具等によって負傷したものは含み、競技場内の混乱によるものは含まない。)をいう。

一般負傷

他に分類されない不慮の事故をいう。

故意の事故

加害

故意に他人によって障害等を加えられた事故をいう。

自損行為

故意に自分自身に障害等を加えた事故をいう。

疾病

急病

疾病によるものをいう。

その他

転院搬送

医療機関に収容され治療を受けている傷病者を他の医療機関において治療するために、当該収容医療機関の要請に基づいて行う搬送をいう。

医師搬送

医師、看護師及び助産師を救急現場に搬送するものをいう。

資器材搬送

医療用資器材又は医薬品等の輸送のために出動したものをいう。

その他

上記の種別に分類不能なもの並びに誤報及びいたずらをいう。

備考

1 事故種別は下記のとおり救急隊の出動対象となった事故等の主たる事象により分類する。

(1) 事故の直接の発生原因により分類する。

(2) 活動形態により分類する。

(3) 法令に基づいて行う救急業務で分類する。

(4) 法的義務以外の実際活動も加え分類する。

(5) 刑法、災害対策基本法及び労働者災害補償保険法により分類するものではない。

(6) 巻き添えによる事故は、その事故の原因となった事故と分離し分類する。

(7) 事故種別が重複する場合は症状の重い方に分類する。

2 種別の異なる複数の傷病者を同時に扱った場合は、出動の種別について出動要請の対象となった事象により区分するものとし、傷病者の種別についてはそれぞれ前1による。

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白老町消防救急業務規程

平成26年1月19日 消防本部訓令第1号

(平成26年4月1日施行)

体系情報
第12編 防/第1章 消防本部・消防署
沿革情報
平成26年1月19日 消防本部訓令第1号