○白老町認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成29年4月1日

訓令第7号

(趣旨)

第1条 この要綱は、認知症になっても本人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられるために、認知症の者並びにその家族に対し、早期に関わる認知症初期集中支援チーム(以下「支援チーム」という。)を配置し、早期診断・早期対応に向けた支援体制を構築する事業(以下「事業」という。)を実施することについて必要な事項を定めるものとする。

(実施主体)

第2条 事業の実施主体は、白老町(以下「町」という。)とする。ただし、町長は、事業の一部について、適切な事業運営が確保できると認められる団体等に委託することができる。

(訪問支援対象者)

第3条 事業における訪問支援の対象者は、原則として40歳以上で、在宅で生活しており、かつ、認知症が疑われる者又は認知症の者であって、次のいずれかに該当する者(以下「訪問支援対象者」という。)とする。

(1) 医療サービス又は介護サービスを受けていない者又は中断している者でいずれかに該当する者

 認知症疾患の臨床診断を受けていない者

 継続的な医療サービスを受けていない者

 適切な介護保険サービスに結び付いていない者

 診断されたが介護サービスが中断している者

(2) 医療サービス又は介護サービスを受けているが、認知症の行動及び心理症状が顕著なため、家族等が対応に苦慮している者

(実施体制)

第4条 町長は、地域支援包括支援センターに支援チームを配置するものとする。

2 支援チームは、認知症に係る専門的な知識及び技能を有する医師の指導の下、複数の専門職が家族の訴え等により訪問支援対象者及びその家族の初期の支援を包括的かつ集中的に行うことにより、自立生活のサポートを行うものとする。

第5条 支援チームは、次の要件を満たす専門職2名以上及び専門医1名以上による3名以上の認知症初期集中支援チーム員(以下「チーム員」という。)で構成する。

(1) 専門職は、次のいずれにも該当する者とする。

 保健師、看護師、作業療法士、歯科衛生士、精神保健福祉士、介護福祉士等の医療保健福祉士に関する国家資格を有する者

 認知症ケアの実務経験が3年以上又は在宅ケアの実務経験が3年以上ある者

 国が定める認知症初期集中支援チーム員研修を受講し、試験に合格した者(以下「研修受講者」という。)ただし、研修受講者であるチーム員と当該研修の受講内容を支援チーム内で共有する者の支援チームへの参加も可能とする。

(2) 専門医は、次のいずれかに該当する医師とする。

 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかであって、かつ、国が定める認知症サポート医研修(以下「認知症サポート医研修」という。)を受講した医師(以下「認知症サポート医という。)

 日本老年精神医学会若しくは日本認知症学会の定める専門医又は認知症疾患の鑑別診断等の専門医療を主たる業務とした5年以上の臨床経験を有する医師のいずれかであって、かつ、今後5年間において認知症サポート医研修を受講する予定のある者

 認知症サポート医であって、認知症疾患の診断及び治療に5年以上従事した経験を有し、かつ、認知症疾患医療センター等の専門医と連携を図っている者

(専門職の選任)

第6条 町長は、前条第1号の専門職が担う業務を町長が認める団体等に委託し、委託団体等からチーム員として選任することができる。

(任期)

第7条 チーム員の任期は、1年とする。ただし、補欠チーム員の任期は、前任者の残任期間とする。

2 チーム員は、再任されることができる。

(研修費用の助成)

第8条 町長は、第6条の規定に基づき委託した団体等の職員がチーム員の業務を遂行するため、第5条第1号ウに規定する研修を受講した場合、当該団体等に対して、その研修に係る費用を予算の範囲内で助成することができる。

2 前項の助成対象は、研修受講料及び研修場所に係る交通費とし、交通費の算出基準については、別に定める。

3 第1項の規定に基づき助成金を申請する団体等は、認知症初期集中支援チーム員研修費助成金交付申請書(様式第1号)を町長に提出しなければならない。

4 町長は、前項の申請に基づき審査したのち、適当と認めた場合は、認知症初期集中支援チーム員研修費助成金交付決定通知書(様式第2号)により通知し、速やかに申請団体等に助成金を支払うものとする。

(チーム員の役割)

第9条 専門職は、訪問支援対象者の認知症の包括的観察・評価に基づく初期集中支援を行うために、訪問支援対象者及びその家族(以下「訪問支援対象者等」という。)に対して訪問活動等を行うものとする。

2 専門医は、認知症に関して専門的見識から他のチーム員に指導、助言等を行い、必要に応じて他のチーム員とともに訪問支援対象者等を訪問し相談に応需するものとする。

3 訪問対象者等の初回の観察・評価の訪問(以下「初回訪問」という。)は、原則として2名以上のチーム員で行うものとする。

(訪問支援対象者等の把握)

第10条 地域包括支援センターは、支援チームが訪問支援対象者等に関する情報を入手できるよう配慮するものとする。

2 チーム員が直接訪問支援対象者等に関する情報を知り得た場合は、チーム員は、必ず地域包括支援センターと情報共有を図るものとする。

(初回訪問時の支援等)

第11条 支援チームは、チーム員が初回訪問をする際、訪問支援対象者等に対し、次に掲げる支援を行うものとする。

(1) 認知症の包括的な観察及び評価

(2) 基本的な認知症に関する正しい情報の提供

(3) 専門的医療機関への受診及び介護保険サービスの利用の効果に関する説明

(4) 訪問支援対象者等に対する心理的サポート及び助言等

2 支援チームは、訪問支援対象者等及びあらかじめ協力の得られる者が同席できるよう調整を行い、当該訪問支援対象者の現病歴、既往歴、生活情報、家族の状況等の情報を収集するものとする。

(チーム員会議の開催)

第12条 支援チームは、チーム員が初回訪問後、訪問支援対象者ごとに、観察・評価内容を総合的に確認し、支援方針、支援内容、支援頻度等を検討するため、専門医を含むチーム員会議を行うものとする。

2 支援チームは、必要に応じ、訪問支援対象者のかかりつけ医、介護支援専門員及び町職員等のチーム員会議への出席を求めることができる。

(初期集中支援の実施)

第13条 支援チームは、訪問支援対象者が医療サービス又は介護サービスによる安定的な支援に移行するまでの概ね6ヶ月間、訪問支援対象者等に対し、次の各号に掲げる初期集中支援を実施するものとする。

(1) 医療機関への受診が必要な場合の動機付け

(2) 継続的な医療サービスの利用に至るまでの支援

(3) 介護サービスの利用等の勧奨及び誘導

(4) 認知症の重症度に応じた助言

(5) 身体を整えるケア

(6) 生活環境等の改善

(7) その他必要な初期集中支援

(引継ぎ及び引継ぎ後のモニタリング)

第14条 支援チームは、訪問支援対象者等への初期集中支援の終了をチーム員会議で判断した場合、当該訪問支援対象者の担当介護支援専門員又は地域包括支援センターの職員との同行訪問を行う等の方法により、当該介護支援専門員等に円滑に引継ぎを行うものとする。

2 支援チームは、前項の引継ぎの2ヶ月後に、当該訪問支援対象者に係る医療サービス及び介護サービスの利用状況等を評価し、支援の必要性を判断の上、随時モニタリングを行うものとする。

3 第2条ただし書の規定により事業の委託を受けた者は、訪問支援対象者に関する情報、観察・評価結果、初期集中支援の内容等を記録した書類を5年間保管するものとする。

(個人情報の保護)

第15条 チーム員は、本事業より知り得た訪問支援対象者等の個人情報について、その適切な管理に努めなければならない。その職に退いた後も同様とする。

(活動状況の検討)

第16条 医療、保健及び福祉に携わる関係機関等により構成する白老町認知症初期集中支援チーム検討委員会において支援チームの活動状況を評価するものとする。

(普及啓発)

第17条 町長は、町民、関係機関、関係団体等に対し、支援チームの役割及び機能について広報活動及び協力依頼を行う等、普及啓発に努めるものとする。

(連携及び情報共有)

第18条 町長は、支援チーム、医療関係者、介護サービス事業者等と連携し、これらの相互の情報共有ができる体制を確保できるよう努めるものとする。

(補則)

第19条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は、町長が別に定める。

この訓令は、平成29年4月1日から施行する。

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白老町認知症初期集中支援推進事業実施要綱

平成29年4月1日 訓令第7号

(平成29年4月1日施行)