○白老町総合評価落札方式試行要綱
平成19年7月10日
訓令第29号
(目的)
第1条 この要綱は、白老町が発注する建設工事において、地方自治法施行令(昭和22年政令第16号。以下「令」という。)第167条の10の2及び第167条の12第4項の規定に基づき、入札者から性能、機能、技術等(以下「性能等」という。)に関する提案(以下「技術提案」という。)を募集し、民間の技術を積極的に活用することにより、価格だけでなく、価格以外の技術的な要素を考慮することにより公共事業の質を高めることを目的として、入札時に工事価格及び性能等をもって申し込みをさせ、これらを総合的に考慮して落札者を決定する方式(以下「総合評価落札方式」という。)の実施に関し必要な事項を定め、その適正な活用を図ることを目的とする。
(1) 入札者が提示する総合的なコスト縮減、性能、機能、社会的要請等の提案(以下「技術提案」という。)、施工計画、入札者の施工能力及び社会性・信頼性(以下「施工能力等」という。)と入札価格を一体として評価することが妥当と認められる工事
(2) 入札者が提示する簡易な施工計画及び入札者の施工能力等と入札価格を一体として評価することが妥当と認められる工事
(総合評価落札方式の選定)
第3条 総合評価落札方式は、次に掲げる入札方式から選定する。
(1) 標準型 高度な技術提案を要する工事及び技術的な工夫の余地が小さい工事以外の工事について、環境の維持、交通の確保、特別な安全対策等の評価項目に関し、性能等を数値化し(数値方式)、又は定性的に表示する(判定方式)ことにより、性能等と入札価格とを総合的に評価する。
(2) 高度技術提案型 高度な技術提案を要する工事について、ライフサイクルコスト、工事目的物の強度、耐久性、供用性(維持管理の容易性)等、環境の維持、景観等の評価項目に基づき、高度な技術提案(歩掛・単価を含む。)を活用して、性能と入札価格とを総合的に評価する。
(3) 簡易型 技術的な工夫の余地が小さい工事で、簡易な施工計画や同種工事の経験、工事成績等に基づき性能と入札価格とを総合的に評価する。
(入札方式の指定)
第4条 町長は、第2条に該当する工事の施工に当たり、白老町契約等審議委員会の審査を経て入札方式の指定を行う。
2 前項で指定した工事の入札までの執行に関しては、別に定める白老町建設工事総合評価審査委員会(以下、「審査委員会」という。)の調査、審議を経て、白老町契約等審議委員会の承認を得るものとする。
(入札公告又は技術資料収集に係る掲示等に明示する事項)
第5条 技術提案を募集する場合においては、入札公告に係る掲示及び入札説明書に次の事項を加えることとする。
(1) 入札公告に係る掲示
ア 当該工事が総合評価落札方式であること。
イ 技術提案により施工しようとする場合は、その内容を明示した設計及び施工計画書を提出すること。技術提案が適正と認められない場合に標準案に基づいて施工する意思がある場合には、標準案により施工計画を併せて提出すること。また、標準案に基づいて施工しようとする場合には標準案による施工計画を提出すること。
ウ 技術提案等の採否については、競争参加資格の確認の通知又は指名通知に併せて通知すること。
エ 資料作成説明会を実施すること。(資料作成説明会を開催する場合)
オ 資料のヒアリングを実施すること。(資料のヒアリングを実施する場合)
カ 提案で求める性能、機能、技術等の要求要件及び評価基準
キ 総合評価の方法及び落札者の決定方法
(2) 入札説明書
ア 前号の内容の詳細
イ 技術提案等は競争参加資格の確認に反映されること。また、その審査に当たっては、施工の確実性、安全性、費用等について評価すること。
ウ 技術提案等の採否については、競争参加資格の確認の通知に併せて通知すること。その際、技術提案が適正と認められなかった場合には、その理由を付すること。また、技術提案及び標準案の両方を提出した建設業者に対して標準案に基づく競争参加資格の確認を行う場合、建設業者は、技術提案が適正と認められなかった理由に対して、理由の説明要求を行うことができるものとすること。
エ 技術提案については、その後の工事において、その内容が一般的に使用されている状態になった場合には、無償で使用できるものとすること。ただし、工業所有権等の排他的権利を有する提案についてはこの限りではないこと。
オ 技術提案を適正と認めることにより、設計図書において施工方法等を指定しない部分の工事に関する建設業者の責任が軽減されるものではないこと。
カ 性能等に係わる提案が履行できなかった場合で、再度施工が困難あるいは合理的でない場合は、契約額の減額、損害賠償等を行うこと。
(技術提案の提出)
第6条 技術提案の提出に係る手続きは次のとおりとする。
(1) 提案を求める範囲 技術提案を求める範囲は、設計及び施工方法等に関するもので、原則として設計図書において指定されたもののうち、総合評価落札方式による総合評価の方法によって、発注者に有利となる調達が可能な提案を期待できるもので、民間の技術開発を積極的に活用することが適当と認められるものの中から、工事の特性に応じて定めることとする。
(2) 提案を求める部分の位置づけ 技術提案を求める部分については、設計図書において施工方法等を指定しないものとする。
(3) 提案の提出方法 入札者は、技術提案を行う場合、その内容を明示した設計及び施工計画書(以下「技術提案書」という。)を提出するものとする。なお、入札者は、技術提案が適正と認められない場合において、標準案に基づいて施工する意思がある場合、標準案による施工計画を併せて提出することができるものとする。
(技術資料作成説明会の開催、提出資料のヒアリング)
第7条 白老町契約等審議委員会は、必要があると認めるときは、技術資料作成説明会の開催及び資料のヒアリングについて、審査委員会に実施させることができるものとする。
(提案の審査)
第8条 白老町契約等審議委員会は、提出された技術提案又は標準案に基づく施工計画について、審査委員会による審査を経て、競争参加資格の確認を行うものとする。
2 技術提案に基づく施工計画の審査に当たっては、施工の確実性、安全性、標準案と比較した経済性等を、また、標準案に基づく施工計画の審査に当たっては、施工の確実性及び安全性を評価するものとする。なお、建設業者が技術提案及び標準案に基づく施工計画を併せて提出した場合において、技術提案に基づく施工計画が適正であると認められるときは、標準案に基づく施工計画の審査は行わないものとする。
(提案の採否の通知)
第9条 技術提案の採否については、競争参加資格の確認の通知(一般競争入札)及び指名の通知(公募型指名競争入札)に併せて技術提案を提出した建設業者に通知するものとする。
2 技術提案が適正と認められなかった者に対しては、その理由を付して通知するものとする。なお、一般競争入札において技術提案及び標準案の両方を提出した建設業者に対して標準案に基づく競争参加資格の確認を行う場合、建設業者は技術提案が適正と認められなかった理由に対して、理由の説明要求を行うことができるものとする。
(総合評価の方法)
第10条 総合評価の方法については次のとおりとする。
(1) 評価の対象とする技術的要件について、当該工事の目的・内容に応じて評価項目を設定する。
(2) 各評価項目ごとに評価に応じて得点を与える。
(3) 価格及び性能等に係る総合評価は、前号の各評価項目の得点の合計を当該入札者の入札価格で除して得た数値をもって行う。
(落札者の決定)
第11条 落札者の決定については、入札者に価格及び性能等を持って申し込みをさせ、次に掲げる要件に該当する者のうち、前条により得られた数値(以下「評価値」という。)の最も高い者を落札者とする。
(1) 入札価格が予定価格の制限の範囲内にあること。
(2) 入札に係る性能等が、入札公告又は技術資料収集に係る掲示において明らかにした性能等の要求要件(以下「技術的要件」という。)の最低限の要求要件を全て満たしていること。
(3) 評価値が、予定価格の算出の前提となる状態で想定される得点を、予定価格で除した数値(以下「基準評価値」という。)を下回っていないこと。
(提案内容の保護)
第12条 技術提案については、その後の工事において、その内容が一般的に使用されている状態となった場合には、無償で使用できるものとする。ただし、工業所有権等の排他的権利を有する提案についてはこの限りでない。なお、この旨を技術資料作成要領、特記仕様書等に記載することにより、建設業者に周知するものとする。
(責任の所在と損害賠償等)
第13条 白老町契約等審議委員会が技術提案を適正と認めることにより、設計図書において施工方法等を指定しない部分の工事に関する建設業者の責任が軽減されるものでないこと、また、性能等に係わる提案が履行できなかった場合で、再度施工が困難あるいは合理的でない場合は、契約金額の減額、損害賠償等を行う旨を入札説明書又は技術資料作成要領及び契約書に記載するものとする。
(その他)
第14条 この要綱に定めるもののほか、必要な事項は別に定めるものとする。
附則
この訓令は、平成19年7月10日から施行する。