○白老町成年後見制度利用支援事業実施要綱
平成28年3月25日
訓令第7号
白老町成年後見制度利用支援事業実施要綱(平成18年訓令第18号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この要綱は、判断能力が十分でない認知症高齢者、知的障がい者又は精神障がい者の権利擁護を図るため、成年後見制度利用の支援を行うことに関し、必要な事項を定めるものとする。
(定義)
第2条 この要綱において、「成年後見等」とは、老人福祉法(昭和38年法律第133号)第32条、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)第28条及び精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)第51条の11の2の規定に基づく民法(明治29年法律第89号)に規定する後見、保佐及び補助をいう。
2 この要綱において「審判請求」とは、成年後見等の開始等の審判の請求をいう。
3 この要綱において「成年後見人等」とは、成年後見人、保佐人又は補助人をいう。
(支援の種類)
第3条 町が行う成年後見制度の利用に関する支援の種類は、次に掲げるとおりとする。
(1) 町長による審判の申立てに関する支援
(2) 審判請求に要する費用に関する支援及び成年後見人等の報酬支払に要する費用に関する支援
(審判請求の対象者)
第4条 審判請求の対象となる者(以下「対象者」という。)は、本町に現に居住し、かつ、本町の住民基本台帳に記録されている65歳以上の者、知的障害者福祉法(昭和35年法律第37号)に規定する知的障がい者又は精神保健及び精神障害者福祉に関する法律第5条に規定する精神障がい者とする。
2 町長は、前項の規定に関わらず、本町から町外の社会福祉施設に入所し、又は病院に長期入院したことにより町外に転出した者であって、転出先の市町村における審判請求に係る援護の状況等を勘案し、特に必要があると認める者を対象者とすることができる。
(審判請求の要件)
第5条 町長は、次に掲げる要件を総合的に勘案した上、対象者の審判請求の可否を決定するものとする。
(1) 対象者の事理を弁識する能力の程度
(2) 対象者の配偶者又は2親等以内の親族の有無
(3) 対象者の配偶者及び2親等内の親族による対象者の保護の状況
(4) 対象者又はその配偶者若しくは2親等内の親族が審判請求を行う可能性
(5) 対象者の福祉サービス等の利用の必要性
(6) 対象者の生活、資産及び収入の状況
(7) その他町長が確認を必要とする事項
(審判請求に係る審判の種類)
第6条 審判請求に係る審判の種類は、次に掲げるとおりとする。
(1) 後見開始の審判(民法第7条関係)
(2) 保佐開始の審判(民法第11条関係)
(3) 保佐人の同意権の範囲を拡張する審判(民法第13条第2項関係)
(4) 保佐人に代理権を付与する審判(民法第876条の4第1項関係)
(5) 補助開始の審判(民法第15条第1項関係)
(6) 補助人の同意権を付与する審判(民法第17条第1項関係)
(7) 補助人に代理権を付与する審判(民法第876条の9第1項関係)
(1) 民生委員
(2) 対象者の親族以外の者で当該対象者の援助者(社会福祉法人等の職員を含む。)
(3) 老人福祉法第5条の3に規定する老人福祉施設の職員
(4) 介護保険法第8条第22項に規定する介護保険施設の職員
(5) 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)第5条第11項に規定する障害者支援施設の職員
(6) 医療法(昭和23年法律第205号)第1条の5に規定する病院又は診療所の職員
(7) 地域保健法(昭和22年法律第101号)第5条第1項に規定する保健所の職員
(審判請求の手続)
第9条 町長が第4条に規定する対象者の審判請求を行うに当たっては、審判請求に係る申立書、添付書類、予納すべき費用等は、対象者に係る審判を管轄する家庭裁判所の定めるところによる。
(審判請求の費用負担)
第10条 町は、非訟事件手続法(平成23年法律第51号)第26条第1項の規定により、審判請求に要する費用を負担するものとする。
(親族等への情報提供)
第11条 第5条第4号において、町長が親族等に対して当該親族等による審判請求を行う意思の有無を確認する場合には、対象者の状況等の情報を必要の範囲内で当該親族等に提供することができる。
2 前項において、情報の提供を行う場合には、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)及び白老町個人情報の保護に関する法律施行条例(令和5年条例第1号)に従い、個人情報の保護に最大限の配慮をしなければならない。
(1) 町民税が非課税である世帯に属する者で、審判費用等に要する費用の支払いが困難な状況の者
(2) 生活保護法による保護を受けている者
2 成年後見人等の報酬助成の要件については、対象者が前条各号のいずれかに該当するほか、成年後見人等が対象者の配偶者、直系血族又は兄弟姉妹でないこととする。
(助成の対象となる費用)
第13条 前条第1項に規定する審判請求費用に対する助成の対象となる費用は、次に掲げる費用とする。
(1) 印紙代
(2) 切手代
(3) 診断書作成費用
(4) 鑑定費用
2 前条第2項に規定する成年後見人等の報酬(以下「後見人報酬」という。)に対する助成金の額は、被後見人等が在宅生活者にあっては月額28,000円を、施設入所者にあっては月額18,000円を限度とする。この場合において、家庭裁判所が決定した後見人等報酬の額が助成の限度額に満たないときは、その額を助成の額とする。
(1) 審判請求の対象者が属する世帯全員の町民税非課税証明書(生活保護世帯の場合は、生活保護受給証明書)
(2) 審判書謄本の写し
(3) 審判確定がわかる書類(登記事項証明書、裁判所が発行する審判確定証明書等)
(4) 審判費用請求に要した費用の領収書等の写し
(5) その他町長が必要と認める書類
(1) 公的年金等の源泉徴収票の写しその他収入状況を証する書類
(2) 金銭出納簿、領収書の写しその他管理状況が確認できる書類
(3) 財産目録の写しその他財産状況を証する書類
(4) 報酬付与の裁判決定書の写し
(5) 登記事項証明書(代理人として成年後見人等が申請する場合に限る。)
(6) その他町長が必要と認める書類
3 前2項の申請書の提出期限は、家庭裁判所による審判確定日の翌日から起算して1月以内とする。
(1) 受給者又は成年後見人等の氏名又は住所の変更があったとき。
(2) 受給者が第12条第1項各号に掲げるいずれかの要件に該当しなくなったとき。
(3) 成年後見等が終了したとき。
(4) 前3号に掲げるもののほか、受給者の資産状況、生活状況又は健康状況について、この要綱に基づく支援内容を見直す必要がある変化があったとき。
(助成金の返還)
第19条 町長は、偽りその他不正な手段により審判請求費用又は後見人等報酬の助成を受けた者があるときは、その者に対して助成金の全部又は一部の返還を命ずることができる。
(未支給の助成金)
第20条 対象者が死亡した場合において、その者に支給すべき審判請求費用又は後見人報酬で支給しなかったものがあるときは、申立人又はその者の成年後見人等であった者は、第14条の規定により助成金を申請することができる。
(譲渡及び担保の禁止)
第21条 審判請求費用又は後見人等報酬の助成を受ける権利は、譲渡し、又は担保に供してはならない。
(備付簿冊)
第22条 町長は、この事業の利用状況を記録する利用者台帳その他必要な書類を整備し備え付けるものとする。
(その他)
第23条 この要綱に定めるもののほか、事業の実施に関し必要な事項は、町長が別に定める。
附則
1 この要綱は、平成28年4月1日から施行する。
2 この要綱の施行前に改正前の白老町成年後見制度利用支援事業実施要綱の規定によりなされた手続きその他の行為は、なお従前の例による。
附則(令和5年4月1日訓令第7号)
この訓令は、令和5年4月1日から施行する。