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すこやか お酒の飲み方を考える特集 ~第2弾 アルコールの代謝~

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すこやかでは、健康ニュースと健康レシピをお届けしています。

12月号・1月号では、2回にわたって、お酒にまつわる特集をお届けします2回目の1月号では、アルコールの解毒代謝の視点を通して、お酒の飲み方を考えます。

お酒の席で楽しむことは大切ですが、お酒というものをわかっておく必要があります。お酒を飲むと楽しい気分になったり、お酒に弱い方は体に不調が出たりします。まずお酒に含まれるアルコールが体の中でどう作用するのか見てみましょう。

1. アルコールの働きと体への作用

(1)アルコールの働き

アルコールは、一般的に体に悪いイメージを持たれがちですが、「百薬の長」とも呼ばれるように、適量であれば、以下のような効果もあります。

①胃液の分泌を高めて消化を助ける

②食欲を増進させる

③血行を促進する

 

(2)アルコールの代謝

口から入ったアルコールはまず、口、胃、小腸の壁(粘膜)から吸収されます

ビールを飲む人

胃や食道body_icon04_i.png

  適量 多量
粘膜 胃液の分泌が高まり消化を助ける 粘膜が荒れる
動き 活発になり食が進む 食べ過ぎる
症状 胸やけ、胃もたれ、胃痛

 

小腸body_icon08_syouchou.png

  適量 多量
粘膜

消化酵素の働きが落ちる

たんぱく質、ビタミンの吸収が落ちる

動き 運動が高まり、水分の吸収がゆっくり 下痢
症状 皮膚炎、下痢

 

血液中kekkann.png

アルコールは吸収されると血液に入ります。

実は、体の中で、アルコールは毒物扱いです。

早く無害なものに変えようと、肝臓では最優先で1時間に7gずつアルコールを処理します。

それ以外は全身を回り、また肝臓に戻り繰り返し代謝します。その時に食べた物(栄養素)は処理できず、血中に出て、アルコールが処理されるまで待っています。

 

 

アルコールが血液に入ると…

肝臓で1日に無理なく処理できるアルコール量は20gまでです。それ以上はどんどん負荷がかかり、1日1晩中かけても、休む間もなく、60gが処理の限界です。

基準は20gまで

2.アルコールの分解と”アセトアルデヒド”

アルコールは大きく2段階で分解されます。まず、“アセトアルデヒド”という毒性が強い物質に分解され、そのあと無害な炭酸ガスや水へ分解されます。アセトアルデヒドは、二日酔いを引き起こす原因になる物質です。

アルコールの分解とアセトアルデヒド

~厄介な”アセトアルデヒド”~

①肝細胞を再生する力が低下

アセトアルデヒドは臓器を作っているたんぱく質と結びつきます。肝臓のたんぱく質にくっつくと、肝細胞が傷つき、再生して働くためには4~6週間かかるため、週2日は休肝日が必要です。脳や心臓の細胞も影響を受け、その影響を受け続けると、認知症(脳)や不整脈や心房細動(心臓)の原因となります。

 

②乳酸(疲労物質)がたまる

アルコールを分解するために肝臓では仕事量が増え、そのために酸素や酵素をたくさん使います。すると、肝細胞の酸素が不足し、乳酸(疲労物質)がたまります。飲んだ翌日に疲れがあったり、だるさ、肩こりが起こりやすいのはこのためです。

週2日は休肝日が必要!

3.おススメお酒のお供

お酒の働きの一つに、食欲を亢進させる働きがありますが、前回でも触れたとおり、おつまみの選び方や食べ方によっては、飲む機会が増えるほど肥満に繋がってしまいます。塩分を抑え、食物繊維やビタミンを積極的に摂り入れることが大切です。今回も、お酒にぴったりな減塩おつまみレシピと、糖分控えめのデザートを紹介します♪