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すこやかnews vol(ボリューム).10

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すこやかnews vol(ボリューム).10

今回のすこやかnewsは、11月14日が世界糖尿病デーであり、全国糖尿病週間標語のテーマがサルコペニア・フレイルであることにちなんで、「高齢者と糖尿病、そしてフレイル予防の食事」をテーマにお送りしたいと思います。

糖尿病のかたでは合併症予防のためにHbA1c7.0を目指しますが、高齢者では低血糖の心配があるため、個別に治療目標を設定する必要があります。

65歳以上の糖尿病のかたでは、食後高血糖や低血糖などを起こしやすく、とくに低血糖になっている状態では、症状が出づらく、重症な低血糖になることがあります。

症状をあてにして防ぐことは難しいのです。

高齢者に限りませんが、服薬中のかたは、食事の摂取量が落ちた時や、運動し過ぎたときは、低血糖を起こしやすいので注意しましょう。

また、食事が摂れないときや大きく運動量が増えることを予測ができるときはいつもと服薬方法が変わる場合があるので医師に相談しましょう。

次に、食後高血糖を防ぐポイントを見てみましょう。

(1)食後高血糖予防

先に述べたように、高齢者では食後高血糖になりやすいです。どのように気を付けたらよいのでしょうか?

ここでのポイントは、「あと食べ」と「足し算食べ」です!

あと食べと足し算食べの説明画像

まず、最初からとご飯とおかずを交互に食べた場合と、おかずから食べ始めて、15分経ってからご飯を食べた場合を比較して、「あと食べ」の効果を見てみましょう!

グラフあと食べ効果を調べた結果の折れ線グラフ画像

(足立香代子氏研究室データ参照)

次に、おにぎりのみを食べた場合と、おにぎりにオリーブオイルを足して食べた場合で、「足し算食べ」の効果を見てみましょう!

足し算食べ効果を調べたの結果の折れ線グラフ画像

(足立香代子氏研究室データ参照)

「あと食べ」は実践している人も多く見ますが、「足し算食べ」油脂を足して食べても食後血糖が抑えられることには驚く人も多いのではないでしょうか?

「あと食べ」を基本としつつ、「足し算食べ」を意識することでより効果的であるとされています。

この研究では、「足し算食べ」の油は、悪玉コレステロール値を下げる効果が報告されているオリーブオイルが薦められています。

(2)フレイル予防

なかなか食事量を摂れないかたの場合では、食事でたんぱく質や野菜が少なくなりがちです。

たんぱく質が不足すると、筋力が落ちやすくなるため、糖尿病のかたでも不足には注意が必要です。

肉や魚などのたんぱく質のおかずから食べるようにしてみましょう。

フレイル予防もポイントを一緒に見てみましょう♪

そこで注目したいのが、食事多様性スコアです!聞いたことがありますか?

食事多様性スコアとは?

食事多様性スコアとは、いも類、豆類、緑黄色野菜、海藻類、魚介類、肉類、卵類、牛乳、果物類および油脂類の10項目について、1週間あたり”ほぼ毎日食べる”が1点、それ以外は0点として合計点を算出します。

食事多様性スコアの10品目チェックの画像

高いほど良好とされ、毎日食べている食品項目が少ないとスコアが低地傾向となります。

食事多様性スコアの棒グラフの画像

果物では、ショ糖やブドウ糖を多く含むバナナやぶどう、柿などの甘い果物や、全体的な摂りすぎには注意が必要ですが、実は果物に含まれる果糖は血糖値を急に上げることはなく、食物繊維が簡単にとれるんです!

普段食物繊維が摂れていないかたは適度に果物も食べるようにしましょう。

ポイントを押さえて、糖尿病やフレイル予防を実践してみましょう!

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